Macのセーフモード
Macのパソコンには、通常の起動とは異なる、セーフモードという起動方法があります。
Macの使用中に、動作が固まりやすくなったり、起動しなくなったりする問題が起きている場合に使用します。
セーフモードで起動する方法や、セーフモードが持つ機能についてご解説します。
セーフモード(セーフブート)
セーフモードは、セーフブートとも呼ばれています。
Macを起動するときに動作が重く、最後まで起動できなかったり、起動までに時間がかかったりする問題の解決に役立ちます。
セーフモードで起動すると、起動ディスクをチェックし、ソフトウェアが自動読み込みや起動をしない処理をして、起動時に関する問題の検証が可能です。
Macのセーフモード(セーフブート)が作動中に行う処理は、以下の通りです。
起動ディスクの検証をして、問題が検出されれば、ディレクトリの問題の修復処理を開始する
必要なカーネル機能拡張のみ読み込む
起動項目とログイン項目が自動で開かないように処理する
OSに付属されたものではなく、ユーザーがインストールしたフォントを無効にする
フォントキャッシュや、カーネルキャッシュ等、システムキャッシュファイルを消去する
Macは起動時に、多くのプログラムを読み込んで動作を開始しますが、セーフモードでは問題の検証に必要なシステムだけを読み込みます。
ディレクトリとは、ファイル等のデータを保存する、パソコンにおける容れ物を指します。”フォルダ”と似た意味を所持しています。
セーフモードではディレクトリに問題があるかどうかチェックし、修復を開始します。
Macのハードウェアの初期化をして、アプリケーションが動作可能な環境を整える役割を所持しています。
通常の起動時に起こった問題が、セーフモードで起動したときに起きなければ、起動ディスクやディレクトリの問題である可能性が高く、セーフモードによるメンテナンスで解決可能な場合があります。
セーフモードで起きなかった問題が、通常の起動に戻ったときに再び起きてしまった場合は、”システム環境設定”から、”ユーザーとグループ”の”ログイン項目”をチェックします。
ログイン時に開くアプリケーションが表示されているので、このアプリケーションを消去して再起動し、問題がなければ戻します。どこに不具合が起きているのか明確に可能です。
起動時等でMacに不具合が起きた場合は、Appleサポートに連絡が主な対処法ですが、セーフモードで解決できれば、サポートに連絡する必要もありません。
それでも解決せず、Appleサポートに連絡した場合も、セーフモードでは解決しなかった、起動時に使用しているアプリケーションが自分自身で分かっていれば、サポートにも問題を詳細に伝えられます。
Macをセーフモードで起動させる方法
Macがいつもよりも起動が遅い、あるいは起動できない問題をメンテナンスするのでに、セーフモードで起動する方法をご解説します。
セーフモードでメンテナンスをすれば、起動時の問題の解消に繋がり、システムの不具合の解消や、動作の軽量化が期待可能です。
Macを起動・再起動してすぐに「shiftキー」を押し続ける
まず、通常の操作でMacを起動、あるいは再起動します。
起動操作をしたらすぐに「shiftキー」を押します。その状態のまま「shiftキー」を押し続けて待ちます。
この間、画面はAppleのロゴが表示されます。
ログインウィンドウが表示されたら「shiftキー」を離す
Appleのロゴから画面が切り替わり、ログインウィンドウが表示されたら「shiftキー」を離します。
これでセーフモードでの起動操作は終了です。
「セーフブート」とでたら起動成功
セーフモードで起動できれば、ログイン時にウィンドウの右上に「セーフブート」と表示されます。
また、データの保護のためにFileVaultを有効にして起動ディスクの暗号化をしている場合は、ログインが2回必要です。ログインの1回目で起動ディスクのロックを解除し、2回目でFinderにログイン可能です。
Macがセーブモードで起動しているか確かめる方法
セーフモードで起動するときや、起動した後に、セーフモードで起動できているか確かめる方法をご解説します。
起動するときには、セーフモードでの起動が正常にできたかを確かめられます。
起動した後は、”今セーフモードの状態なのか”を確かめられます。
システム情報の「ソフトウェア」から
セーフモードで起動した後に、Macがセーフモードの状態なのかを確かめる場合は、まず、画面左上のAppleにあるマークを押して「このMacについて」を押します。
使用しているMacのモデルや、プロセッサや、メモリ等の情報が表示されます。次に「システムレポート」を押します。
ハードウェアと、ネットワークと、ソフトウェアの項目に分かれた、更に詳細な、Macのシステムについての情報が表示されます。次に「▼ソフトウェア」を押します。
”システムソフトウェアの概要”が表示されます。セーフモードで起動していれば、”起動モード”が”セーフ”と表示されます。なお、セーフモードで起動していなければ、”通常”と表示されます。
ログインウィンドウの右上に「セーフブート」と表示される
セーフモードでの起動に成功すれば、ログイン時に、ログインウィンドウの右上に「セーフブート」と表示されます。
「セーフブート」と表示されれば、セーフモードは正常に動作していますが、次の項目でご解説する機能はセーフモード中に使用できないので注意が必要です。
Macのセーフモードで使用できない機能
Macをセーフモードで起動すれば、起動時の問題解消に繋がりますが、セーフモード中は使用できない機能があります。
次にご解説する機能は、セーフモード中に使えませんので注意しましょう。
ファイル共有は無効
セーフモード中はファイルの共有が無効化されるので、ファイル共有が必要な作業をするときは注意が必要です。
セーフモードを解除し忘れて、共有ができないと慌てることのないように注意しましょう。
セーフモードの解除方法は、記事の後半でご解説します。
ビデオを録画
iMovieや、ダウンロードしたビデオアプリを使用したビデオの録画が、セーフモード中は可能でせん。
セーフモードでMacをメンテナンスするときは、ビデオの録画予定が無いかどうか確かめてから、セーフモードで起動することを忘れないようにしましょう。
一部のUSB、FireWire、Thunderboltデバイスが使用できない
セーフモードでは、一部のUSBや、FireWireや、Thunderboltが使用できない状態になります。Macをセーフモードでメンテナンスする間は、これらのデバイスを使用した作業が可能でせん。