サーマルスロットリング
パソコンを使用しているとき、「サーマルスロットリング」というものの存在を認識することは少ないかと思いますが、このサーマルスロットリング、パソコンを使用する上で必要な機能です。
CPUの温度が上がりすぎた時に温度を下げる機能
このサーマルスロットリングとは、CPUの温度が上がりすぎたときに温度を下げる機能を指します。そのパソコンにも搭載されている機能です。
ノートパソコン等だと特に感じやすいのですが、パソコンの動作が妙に重く、パソコンが熱を所持していると感じたとき、その時まさにサーマルスロットリングが働いている状態です。
サーマルスロットリングの必要性
処理速度が遅くなるならサーマルスロットリングは必要ないのでは、と思う人もいると思います。しかし、このサーマルスロットリングがないと逆にパソコンが壊れます。
CPUというのは人で言う脳です。CPUに高負荷がかかるときというのは、複数の作業を同時に行っている状態です。
いくつもの物事を並行してやると、もちろん人それぞれ差はあると思いますが並行する物事が多ければ多いほど頭は混乱しますよね。そのせいで知恵熱が出る、というような状態を思い浮かべていただければ、CPUの状態をイメージしやすいと思います。
サーマルスロットリングは、そうして色々なことをおこなって脳であるCPUが熱を出してしまったとき、クロック周波数を下げてCPUの温度を下げるようにしているのです。パソコン内に常備されている冷却シートのようなものと言うと分かりやすいかもしれません。
熱を出してキャパオーバーを起こした頭でそのまま仕事をしていてもいつか壊れてしまうように、CPUも高熱になりすぎるといずれ物理的に壊れてしまいます。それこそパソコンを使えなくなってしまうので、それを防ぐための機能でもあるのです。
調整は可能?
かといって、サーマルスロットリングによって動作が重くなることが頻繁にあるような場合、なんとかその調整はできないものかと思う人もいると思います。
しかし、サーマルスロットリングがそもそもCPUが壊れることを防ぐ安全装置でもありますので、細やかな調整は可能でせん。BIOSではサーマルスロットリングを有効化するか無効化するかの2択となるためです。
ただ、サーマルスロットリングの調整ではないですが処理速度の低下を防ぐためにWindowsの設定を変更することは可能です。
Windows10の設定で、「システム」を選びてください。
「電源とスリープ」を選びます。
「電源の追加設定」を押してください。
現在使用している電源プラン横にある「プラン設定の変更」を押してください。
「詳細な電源設定の変更」を押しましょう。
「プロセッサの電源管理」をダブル押しましょう。
「最大のプロセッサの状態」を開きます。
デフォルトは100%になっています(プランによっては変わることもあるかもしれません)。ここの値を80~90%あたりへ変更しましょう。
「適用」を押して、変更内容を確定します。最大プロセッサの状態の割合を下げることでサーマルスロットリングによる突然かつ大幅な処理性能の低下を防ぐことが可能です。
ただし、あまり下げすぎるとそもそものパソコンの処理速度が低下して使いづらくなりますので、程々の値に収めておいてください。
最後に
サーマルスロットリングは、CPUが物理的に壊れることを防ぐためのの装置です。これがあるためにパソコンが壊れることなく、高負荷の作業をおこなうことが可能です。
BIOSで無効化することは可能なもののあまりおススメしませんので、突然の処理性能低下を防ぎたい場合は最大プロセッサの割合を変更して対処してください。