zip形式の圧縮ファイルを作成
Macで大容量のファイルをインターネット上やUSBメモリなどを利用してやりとりするときには、圧縮(ファイルサイズを小さくすること)が便利です。圧縮しておくことでより効率的にファイルを格納することが可能です。
圧縮の形式にはさまざまありますが、最も広く普及しているのが「zip」です。圧縮されたファイルを元の状態に戻すには、「解凍」が必要ですが、zip形式は大半のソフトが対応しているので解凍できないということはまずないと思います。
zip形式の圧縮ファイルを作成する方法
圧縮とはMacのファイルサイズを小さくすること、zipとは圧縮形式の一つであること、MacのFinderから簡単に圧縮可能なことがわかりました。では実ときにMacでファイル(フォルダ)をフリーソフトを使わずに圧縮する方法を見ていきましょう。
Macのファイルをzip形式に圧縮するにはFinderのメニューから選択する方法と、Finderを経由せずにファイルを直接右クリックする方法があります。
どっちもFinderの機能を利用していることに変わりはないので、ここではより簡単なファイルを直接選択する方法をご解説します。
圧縮したいファイルのあるフォルダに入る
Macのデスクトップ上にある、「0201」というフォルダの中にあるファイルをzip形式に圧縮したいとします。まず最初は、0201フォルダをダブル押して、ファイルを表示します。
必要なファイルを選びて、右クリック
ここでは、「1、jpg」という画像ファイルをzip形式に圧縮したいとします。1、jpgファイルを押して選択された状態にし、次に右クリックをします。
「×項目を圧縮」をクリック
表示されたメニューの中から、「1、jpgを圧縮」という項目を押します(1、jpgの部分はそれぞれ任意のファイル名に読み替えてください)。
zipファイルに圧縮:作成終了
圧縮をクリックすると、同じフォルダ内(この場合は0201フォルダ)に圧縮ファイルが自動的に作成されます。ファイル名のあとに新たな拡張子「、zip」がついていればMacのファイル圧縮は成功です。
複数ファイルを同時に圧縮することが可能
Macで一つのファイルをzip形式に圧縮しただけでは、正直サイズはあまり変わらず効果を実感しにくいと思います。さらに複数のファイルを一つずつzip形式に圧縮していくのは手間がかかります。
こんな場合は、Macのマウスをドラッグして複数のファイルを範囲選び、それから右クリックで表示された項目の中から「○○項目を圧縮」を選択すれば1回に複数ファイルを同時にzip形式で圧縮することが可能です。
Macで複数を同時にzip形式に圧縮すると、上の図のように一つの「アーカイブ、zip」ファイルとして作成されることになります。
また、検証例のように一つのフォルダにまとめておいて、そのフォルダを右クリックすることでもまとめてzip形式に圧縮することが可能です。
パスワード付きzip形式の圧縮ファイルを作成する方法
Macで作成した圧縮ファイルは、使用環境さえあれば誰にでも解凍できてしまう=セキュリティが甘いという難点があります。圧縮したzipファイルを特定の人とだけ共有したい場合は、パスワードを設定して暗号化し、セキュリティ性を高めておくとよいと思います。
Macのzipファイルにパスワードを設定して暗号化するには、先ほどの圧縮手順に加えてMacのターミナル機能を使います。
ターミナルとは通常の環境設定で行えない細かい設定を行うプログラムのことで、Windowsでの「コマンドプロンプト」のような機能を持ちます。
圧縮したいファイルを一つのフォルダにまとめる
Macで圧縮したzipファイルにパスワードを設定して暗号化するには、フォルダ単位で管理すると便利です。まず最初はパスワードを設定して暗号化したいファイルを一つにまとめておきましょう。
必要なファイルを選びて、右クリック
圧縮の要領は先ほどと全く同じです。暗号化したいファイルをまとめたフォルダの上で右押し、表示された項目から「○○(フォルダ名)を圧縮」を押します。
「×項目を圧縮」を押して、zip形式の圧縮ファイルを作成
ファイルを複数選びた場合は先ほどのように「○○項目を圧縮」をクリックするとアーカイブ、zipファイルが、フォルダをzip形式に圧縮した場合は上の図のようにMacデスクトップに「ファイル名、zip」ファイルが作成されます。
これで、パスワードが設定されていないzip形式のファイルがMacに作成されました。
「Launchpad」から「その他」へ、さらにターミナルを起動
次にパスワードを設定して暗号化するので、Macのホーム画面上部の「移動」タブを押し「アプリケーション」を選びます。
Macのアプリケーションを選択すると、上の図のような画面が表示されます。まずは一覧の下の方にある【ユーティリティ】にMacのマウスカーソルを合わせ、表示された一覧の中から【ターミナル】をクリックします。
これでMacのターミナルが起動しました。ここに、zipファイルにパスワードを設定する構文を直接入力することになります。
ターミナルに「ziパソコンloak」を記入して半角スペースを入れる
指定されたzipファイルにパスワードを設定するには、【zipcloak】と全て英数半角でターミナルに入力します。この際、最後に必ず【半角スペース】を入力します。
作成されたzipファイルを半角スペースの後にドラッグ
次に、「どのzipファイルにパスワードを記入するか」を指定します。場所を手記入してもよいですが面倒なので、先ほど作ったzipファイルをMacのターミナルに直接「ドラッグ→ドロップ」します。
上の図のようにzipファイルのパス(場所)が表示されていれば成功です。
enterキーを押して「Enter password」が出たら任意のパスワードを記入
圧縮されたzipファイルのパスが記入された状態のまま、Macのターミナルで「return」キーを押すと、「Enter password」と表示されます。
「パスワードに設定したい任意のキー」を記入します。この時、Macのターミナル画面には文字列が表示されませんが、記入はされています。
任意のキーを記入し、「return」キーを押すと、「Verify password」と表示されるので、チェックのため先ほどと同じ文字列を再度記入し、「return」キーを押します。
記入が成功すると上のような画面が表示され、zipファイルのパスワード設定が終了します。
圧縮ファイルにパスワードがきちんと設定されているかチェックする
圧縮されたMacのzipファイルにパスワードが設定されているファイルを開こうとすると、上の図のような画面が表示されていれば、正しいパスワードを記入しないと開かないように設定することができています。
zip形式の圧縮ファイルを作成するときの気を付ける点とは?
Macでzip形式のファイルを作成するとき、気を付ける点が2つあります。1つは圧縮ファイルのセキュリティ強度について、もう1つはWindowsとやりとりするときの文字化けに関する気を付ける点です。
暗号化の強度に注意
暗号化の強度とは、パスワードの文字列とファイルの圧縮形式の両方を考える必要があります。パスワードについてはなるべくフォルダ名などから予想されにくいものを選ぶとよいと思います。
もう一つ、zip形式自体がそこまで強度の高い圧縮方法ではありません。ソフトによってはパスワードを突破可能なこともあります。この場合は、Macのフリーソフトを利用して7zなどの強度の高い形式で圧縮する方法があります。
Windows OSにzipファイルを送るときの気を付ける点
WindowsからMac、あるいはMacからWindowsにZipファイルをやりとりするときに文字化けを起こしてしまうことがあります。文字化けの原因はたいてい「Macでは使えるがWindowsでは使えない文字」を含んでいるため起こります。
単に文字化けしてファイル名を読み取れない場合と、文字化けしている上は破損ファイルとしてMacやWindowsで認識され、開くことができない場合があります。
Macで文字化けを防ぐには、Windowsでも使える文字、ほぼ確実なのが「半角英数文字」を使うことです。反対に全角ひらがなや漢字、記号などは極力使わないほうがよいと思います。
ここでは、Macでzip形式のファイルを圧縮する方法を解説し、パスワードを設定して暗号化を行う方法、Windowsとzipファイルをやりとりするときの気を付ける点などもご解説しました。
Macのデータをzipファイルに圧縮して、より効率的に運用してください。