- VirtualBox
- VirtualBoxを使用するときの気を付ける点
- MacにVirtualBoxをダウンロードする方法
- MacにVirtualBoxをインストールする方法
- VirtualBoxの使用方法
VirtualBox
Macを利用していて、ある時こう思ったことはありませんか?便利そうな無料ツールがあるけどMacに対応していなくて使えない、他のOSを利用してみたいけどちょっと手が出ない、など1回は考えたことがあるかもしれません。
そんな問題を解決してくれるのが、「VirtualBox」というソフトです。VirtualBoxを使うと、Mac上で仮想環境を構築することで、Windowsなどの他のOSを使うことが可能なようになります。
これにより、仮想環境で他のOSをダウンロードし、そのOS上でMac非対応のツールを入れれば、今までMacで使えなかったツールを使用することが可能です。そんな仮想環境を作るソフト、VirtualBoxをこれから解説します。
自分自身のパソコンに異なるOSを入れるための箱を作る仮想化ソフト
VirtualBoxとは、自分自身の使用しているOSとは異なるOSを入れる箱のようなものをつくり、その箱で別のOSを動かすことが可能なソフトです。こういったソフトのことを「仮想化ソフト」と呼びます。
自分自身が使用しているOSのことを「ホストOS」、箱の中の異なるOSのことを「ゲストOS」といいます。仮想環境関連の内容でよく利用される用語ですので、覚えておいてください。
VirtualBoxのような仮想化ソフトは、ホストOS上に仮想のパソコンを作って、その中でゲストOSをダウンロードして実行することで、ホストOSとは別のOSを実行します。
仮想化ソフトには、VirtualBoxの他に「VMware Fusion」や「Parallels Desktop」などがあります。この2つはVirtualBoxと比較して多機能ではあるのですが、有料のソフトなので、ちょっと敷居が高いかもしれません。
反面、VirtualBoxは無料ソフトなので、仮想環境を気軽にやってみることが可能です。ただ、VirtualBoxの公式サイトが全部英語であったり、他ソフトと比較してVirtualBoxは設定が難しい、といった難点があります。
ですが、VirtualBoxの設定の手順はこれから詳しく説明しますので、安心してください。
仮想環境をつくる
仮想環境とは、パソコンやサーバなどのハードウェアの中に作り出された、自分自身が使用しているOSとは異なるヴァーチャル(仮想的)な環境のことです。仮想環境をつくることで、自分自身のコンピュータ上に、自分自身のOSとは独立した環境を用意することが可能です。
用意した仮想環境に、別のOSをダウンロードすることで、自分自身のパソコンとは異なるOSを使用することが可能なようになります。
Macの環境にWindowsやLinuxのOSなど複数のOSを入れて動かすことが可能になる
VirtualBoxに代表される、仮想化ソフトを使えば、「Macコンピュータ上でWindowsコンピュータを動かす」といったことや「Linuxコンピュータ上で別のLinuxコンピュータを動かす」といったようなことを仮想環境上で行うことが可能です。
また仮想環境は、1つのパソコンに複数用意することも可能です。これにより、1つのパソコンで複数の仮想環境上にOSを入れて動かすことも可能です。
仮想環境を動かすためにはある程度のマシンスペックが必要
ただし、VirtualBoxで仮想環境を動かすためにはある程度のマシンスペックが必要です。1回に大量に仮想環境を動かそうとするとスペック不足で、動作が上手くいかなくなるときがあるので気を付けてください。
仮想化の歴史は古い
仮想環境を構築する仮想化という言葉があります。最近では比較的耳にすることも増えたかもしれません。実は、その歴史は古く、1960年代から「仮想マシン(バーチャルマシン、Virtual Machine)」という言葉が利用されていました。
さて、分割したCPUの処理時間は、ユーザーにとって独立した個別のCPUと見做される。ならば、これにユーザー個別のオペレーティング・システムを動かせるように発展させることで、今でいう仮想化が生まれた。1967年、IBM System、360モデル67で実装されたCP-67、CMSが商用ベースでは、初めてのモノとされている。また、その時始めて、Virtual Machine(VM)という言葉が利用された。
このようにして、仮想化が誕生した。
そこから開発が進み、最初の商用ベースの仮想化のソフトウェア「VMware Workstation」が1999年に発売されました。今ではVirtualBoxのように、無料で仮想環境を使うことが可能なソフトも出てきています。
使用可能なOS
VirtualBoxを使用可能なOSは、Windows、Mac、Solaris、Ubuntu、Debian、openSUSE、Fedora、Oracle Lunux、Red Hat Enterprise Linux、CentOSです。OSごとの詳しいバージョン情報は以下のリンクからごチェックください。
また執筆時点では、VirtualBoxの最新バージョンである6、0、6に関するOSのバージョンの情報は記載されておりませんでしたので、その点はご留意ください。
VirtualBoxを使用するときの気を付ける点
VirtualBoxは、Macに仮想環境作ることが可能な便利な無料ソフトですが、使用するときにいくつか注意しなければならないことがあります。それをこれから説明します。
使用は自己責任
VirtualBoxは無料で使用可能なソフトですので、有料の製品のようにサポートを受けることは可能でせん。
使用するときに何かVirtualBoxに関する問題が発生した場合は、VirtualBoxに関する問題を自分自身で解決する必要があります。そのような問題の発生に関しては、自己責任で対応をお願いします。
有料ソフトのようなサポートがないため、VirtualBoxはエンジニア向けのソフトと言われたりすることもあるのですが、Webで検索すれば、VirtualBoxに関する情報はありますので、そこまで心配する必要はありません。
バージョンアップして今まで使用できた機能が使えなくなる不具合がある
発生する問題の一例として、VirtualBoxのバージョンアップを行ったとき、今まで使用できた機能が使えなくなるといった不具合があります。
そのような場合は、下記のリンクから安定して動作していたVirtualBoxのバージョンのファイルを取得して、再度VirtualBoxをイ、ンストールしてください。
MacにVirtualBoxをダウンロードする方法
それでは、MacでVirtualBoxをダウンロードする方法を解説します。ここでは、執筆時点での最新バージョンである、VirtualBoxのバージョン6、0、6を使用します。
公式サイトが英語のサイトですので、どこからVirtualBoxをダウンロードして良いかわかりにくいところもあるかもしれません。ですが、複雑なところは全くありませんので、中学英語程度の語学力があれば問題なくわかると思います。
もしわからないという場合でも、以下の「ダウンロードの手順」で詳しく説明しておりますので、安心してください。
ダウンロードの手順
まず、以下のリンクからVirtualBoxの公式サイトへアクセスします。VirtualBoxの公式サイトには、色々なホストOSで色々なゲストOSを起動したスクリーンショットや、VirtualBoxのドキュメントなどの情報が載っています。
VirtualBoxで困ったことがあった場合は、VirtualBoxのドキュメントをチェックする必要があるかもしれません。もし何かわからないところや、ドラブルが発生した場合はVirtualBoxの公式サイトのドキュメントをチェックしてください。
Oracle VM VirtualBox
VirtualBoxの公式サイトを開いたら、サイトの左側にある「Downloads」を押します。
VirtualBoxのダウンロードページを開いたら、どのOSのVirtualBoxをダウンロードするか選択する画面が表示されます。ここではVirtualBoxのバージョン6、0、6のMac版をダウンロードするので「OS X hosts」を押してください。
クリックするとVirtualBoxのダウンロードが始まります。それが終わればVirtualBoxダウンロードは終了です。
MacにVirtualBoxをインストールする方法
VirtualBoxのMacへのダウンロードが終わりました。次にMacにVirtualBoxをイ、ンストールする手順を解説します。
イ、ンストールの手順
さきほどMacにダウンロードした「VirtualBox-6、0、6-130049-OSX、dmg」を押して起動します。
「1 Double click on this icon:」と書かれている「VirtualBox、pkg」のアイコンをダブル押して開きます。
信頼できるプログラムかどうかチェックするダイアログが表示されます。信頼済みに設定しないとVirtualBoxがダウンロードができないので、「続ける」を押します。
VirtualBoxのインストーラーが起動しました。そのまま、「続ける」を押します。
VirtualBoxをイ、ンストールするのでに必要なデータの空き容量についてチェックするメッセージがでます。Macの空き容量に問題がなければ、「イ、ンストール」を押します。
VirtualBoxをMacにイ、ンストールする許可を求めるダイアログが表示されますので、TouchIDを使用するか、パスワード記入を行い、イ、ンストールの許可をだしてください。
VirtualBoxのイ、ンストールスクリプトが実行されますので、終了するまで待機してください。スクリプトの実行が終われば、MacへのVirtualBoxのイ、ンストールは終了です。
VirtualBoxの使用方法
イ。ンストールが終わりましたので、これから実ときにVirtualBoxで仮想環境を作って、他のOSを動かしてみたいと思います。ここでは「Windows 10 64bit版」をMac上で動かします。
Windows10の仮想環境をMacで動かすためには、Windows10のisoファイルが必要です。以下のリンクからisoファイルをあらかじめダウンロードしておいてください。
isoファイルとは、CDやDVDを1つにまとめたファイルのことでイメージファイルとよびます。VirtualBoxで仮想マシン上にOSをダウンロードするときには、目的のOSのisoファイルが必要です。
Windows 10 のディスク イメージ (ISO ファイル) のダウンロード
また、仮想環境を動かすためにはMacのメモリやハードディスクの空き容量がある程度必要です。仮想マシンを作成するときには、Macのメモリやハードディスクの容量をある程度確保しておいてください。
もしMacの容量が不足していた場合は、動作が極端に重くなる、あるいは仮想マシンが正常に動作しないなどの不具合が発生する可能性がありますので、気を付けてください。
また仮想マシンですが、ゲームのような高スペックが必要なソフトを動かすためには、ホストOSにかなりのスペックが要求されますので、仮想マシンでそのようなソフトはなるべく使わないことをおススメします。
仮想マシンを作成する
それでは、いよいよ仮想マシンを作成します。まずMacにダウンロードしたVirtualBoxを起動します。デフォルトだとMacの「アプリケーション」フォルダにダウンロードされていますので、アプリケーションの中にあるVirtualBoxを起動します。
画面右上にある、メニューの「新規」を押します。
名前、タイプ、バージョンを記入します。名前は任意ですが、タイプ、バージョンは上図の通り選びてください。
メモリーのサイズを指定します。「必要なメモリーサイズ」と表示されている値以上の値を設定してください。メモリーの値が低すぎると、仮想マシンが動作しない場合がありますので気を付けてください。
仮想ハードディスクを作成する
仮想ハードディスクとは仮想マシンのハードディスクのことです。仮想マシンのデータ容量をここで設定します。
ハードディスクの容量が少なすぎると、ゲストOSのダウンロードに失敗する可能性があります。必要な分だけ、ハードディスクの容量を確保してください。
「仮想ハードディスクを作成する」を選びて、「作成」を押してください。
ハードディスクのタイプが3つ選択可能ですが、ここでは「VDI」を選びて、「続き」を押してください。
ファイルの場所やサイズが設定可能ですが、変更の必要はありません。そのまま「作成」押してください。これで、仮想ハードディスクの設定は終了です。
ビデオメモリを指定する
ビデオメモリの設定を行います。ビデオメモリの設定値が少ないと、仮想マシンの画質の劣化やディスプレイの動作がカクついてしまうことがありますので、適切な値にする必要があります。
またビデオメモリの指定画面では、色深度、解像度、色深度、3Dアクセラレーション、2Dアクセラレーションなど、多くの設定が可能です。もし仮想マシンの画面や速度について改善を行いたい場合は、ビデオメモリ関連の設定を変更してみてください。
作成した仮想マシンを選びた状態で、「ディスプレイ」を押してください。
ビデオメモリの最大値は128MBです。もしデフォルトの設定値がそれより少ない場合は、可能であれば最大値に設定してください。仮想マシンの画面表示の質や動作が良くなります。
仮想マシンを初回起動する
仮想マシンの設定が一通り終わりました。これから実ときにMacで仮想マシンを起動します。仮想マシンの起動するとき、Macのメモリの空き容量が少ないと、動作が極端に遅くなったり、あるいは動作しないということが起こるかもしれません。
そのような不具合を出さないためにも、極力必要ない他のソフトは閉じるようにしておいてください。
作った仮想マシンを右クリックで選びて、「起動」->「通常起動」を押します。
仮想マシンを起動するのでに、Macのアクセシビリティ機能にVirtualBoxがアクセスする許可を求めてきます。仮想マシンを起動するのでにはこの許可が必要なので、「システム環境設定を開く」を押します。
Macのアクセシビリティの設定の編集画面はデフォルトではロックがかかっています。ロックを解除するのでに、画面左下の鍵のアイコンを押してください。
鍵アイコンをクリックすると、Macのプライバシー設定のロックを解除するのでのパスワードを要求されますので、パスワードを記入してください。
パスワードを記入して、コンピュータ制御の許可を出すアプリにVirtualBoxを追加します。VirtualBoxの横のチェックボックを押してチェックを入れてください。これで、VirtualBoxのアクセシビリティの設定が終了しました。
コンピュータ制御のためのアクセシビリティの許可の設定がおわったら、最初にダウンロードしたWindowsのisoファイルを選びて、「start」ボタンを押してください。
「start」を押すと、仮想マシンが起動します。Windowsのダウンロード画面が表示されれば成功です。このままWindowsのダウンロードを進めます。
言語やキーボードについて選択可能です。設定を選んで「次へ」を押します。
「今すぐイ、ンストール」を押してください。
ここではプロダクトキーを使用しませんので、「プロダクトキーがありません」を押します。
OSの選択が可能です。使用するOSを選びて押してください。
ライセンスに同意して「次へ」を押します。
イ、ンストールの種類を選択可能です。アップグレードの必要はありませんので、「Windowsのみをダウンロードする」を押してください。
特に変更の必要はありませんので、「次へ」を押してください。これでダウンロードは終了です。後は画面の案内にしたがってWindowsの初期設定を進めてください。
ホストOSであるMacと、ゲストOSであるWindowsは基本的には独立して動いています。具体的には、ホストOSとゲストOSではデータを共有できない、などホストOSとゲストOS間でのデータのやり取りは初回起動では可能でせん。
ホストOSとゲストOSとのデータ共有や、ホストOSとゲストOSとの連携機能の設定については、この後の「Guest Additionsのダウンロード」で行いますので、今はそのままイ、ンストールをすすめてください。
また、仮想マシンを起動したとき、OSのイ、ンストールにヘマをしてエラーが起こることがあるかもしれません。そのようなときは、エラーに関して検索する、仮想マシンを再起動してみる、仮想マシンを作り直してみるなどといったことを試してみてください。
Guest Additionsのダウンロード
Guest Additionsとは、VirtualBoxを使いやすくするのでのモジュールです。Guest Additionsをダウンロードすると、VirtualBoxの仮想マシン上に色々な機能が追加されます。具体的には以下の機能です。
解像度の変更
ホストOS(Mac)とゲストOS(仮想マシンのWindows)とのシームレスなマウスポインタの移動
ホストOSとゲストOSでの共有フォルダ作成
Guest Additionsを入れない場合、ホストOSとゲストOSの連携がほぼできないため、不便に感じることが多いです。仮想マシンを使うときはGuest Additionsを入れることをおススメします。それではダウンロードの方法を解説します。
仮想マシンのウィンドウを選びた状態で、上部のメニューの 「Device」->「Insert Guest Additions CD image、、、」を押します。
仮想マシンのエクスプローラーを押して開きます。
左側のメニューからパソコンを選択すると、DドライブにGuest Additionsが追加されています。Dドライブを押します。
Dドライブを開いたら、「VBoxWindowsAdditions」を押して起動します。
Guest Additionsのセットアップ画面が起動します。「Next」を押してください。
ダウンロード先の選択画面です。「Next」を押して先へすすんでください。
コンポーネント画面です。特に設定を変える必要がありませんので、そのまま「Install」を押してください。
ダウンロードが終わったら、「Reboot now」にチェックが入ってることをチェックして「Finish」を押してください。仮想マシンの再起動が終了すれば、Guest Additionsが有効になります。
MacでのVirtualBoxのダウンロードから仮想マシンの初期設定、Guest Additonsの導入まで、解説させていただきましたがいかがでしたか?手順が長いですが、慣れればさほど時間もかけずに、Macで仮想マシンを使うことが可能なようになります。
ちょっとMacでWindowsやLinuxなどの他のOSを利用してみたい、Macで使えないあのソフトを使いたい、といった場合には、是非VirtualBoxを試してみてください