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黄昏 感想・レビュー・評価・あらすじ【日本推理作家協会賞】【薬丸岳】【小説】  

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ザ・ベストミステリーズ2017

紹介や序盤のあらすじなど


平成29年度の日本推理作家協会賞の短編部門を受賞した作品です。

東池袋警察署に勤務する夏目信人が主人公。

夏目が墨田区の錦糸署へ異動になる直前、事件が発生した。四十代の幸田華子が母親の二美恵の死体を、三年も部屋に隠していたのだ。殺害したのではないようである。では母親の年金ほしさにその死を隠していたのか、と思われたが、調べていくと、母親の貯金通帳には年金が貯まるばかりだった。夏目は異動のための引っ越し準備をしながら、どうしても華子の犯行動機を知りたくて、調査を続ける。

思い入れのシーン


まず、死体遺棄をした娘の華子のキャラクターが良い。

一度結婚するも、離婚して母親と同居していた。なんとか働こうと、引っ越しをしてマッサージ店で真面目に勤務していた。警察での取り調べにも、「年金目当てと言われてもしかたがない」というふうに、少しも自分を弁護していない。とても幸薄い女性の姿が浮かび上がります。見どころはもうひとつあって、最後の取り調べでついに真実が明らかになるシーンです。泣けます。

まとめ

全体を通して、静かな印象です。

登場する刑事はごく普通の人間です。

派手にドンパチやるわけでもなく、実に地味に捜査が行われます。

しかし、その地味さの中に、静かな情熱とでもいうものが確かに感じられて、それがラストの感動へと結びついていると思います。

なるほど、これなら賞をとっても不思議はない、と思いました。

僕ははこれを「ザ・ベストミステリーズ2017」(講談社)という推理作家協会編の本で読みました。
著作者の短編集でも読めるかもしれません。興味のある方はぜひどうぞ。

おすすめ度B

ザ・ベストミステリーズ2017

ザ・ベストミステリーズ2017