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様々な物語を一冊で味わえるオススメの短編小説集10選【ショートショート】

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1、稲垣足穂一千一秒物語

詩のような短編が新鮮


詩のような短編がいくつも入っていて、中にはほんの数行のものもあります。

そこに散りばめられている言葉は星だの瓶チョコレートだのロケットだの、
レトロでノスタルジックなものばかりで、すぐに「今まで読んだことのあるものとは違う」と感じさせられました。

そして内容がまた、途方もないのです。

日常からかけ離れた世界なのに

舞台はどこにでもある、地に足のついた日常の世界。

住宅地の路地だとかアパートの部屋の窓から見える景色だとか。

なのに、そこに出て来るキーワード一つ一つに作者の感性とこだわりが感じられます。

そして、それぞれの話の展開は思いもかけないものだったり、
夢が突然途切れたようなあっけない展開だったりするのです。

いずれの結末もこれといった脈絡がなく、
呼んでいると自然に「シュールレアリズム」という言葉が浮かぶ小説です。

時代を越える小説

こんな「新感覚」の小説が、1920年代に書かれたというのは大変な驚きです。

短編はいくつも入っているのだけど、
どれも一貫した作者の感性が感じられる単語の数々に、作者の偏向性も嗅ぎ取ることが出来ます。

話はどれもロマンティックな設定でありながらも、全く女性性は感じられず、確実に男性的です。

そんなギャップもこの小説の魅力の一つです。

初めて読んだときは衝撃的で、その後も長く、愛書として手元に置いていました。

もちろん、今でも当時の品物と一緒に古くたびれた一冊が保管してあります。


2、この国。

頭脳戦とキャラが魅力的な「この国。」

架空の国を舞台としたストーリー


非戦平和を掲げながら、死刑制度が民衆娯楽になっている
一党独裁の「この国」を舞台としたミステリー風味の短編集です。

トーリーは「この国」に所属する治安警察官・番匠と
反政府組織の戦略家・松浦の切れ者二人が、頭脳戦や心理戦を繰り広げるというものです。

ですが二人の戦いは二話だけで、他の短編は「この国」だからこそ起こりうる事件を描いたものとなっています。

すべてに共通しているのは腹の探りあいであり、この知のぶつかり合いがこの作品の最大の魅力です。

番匠と松浦の初めての対決


一番印象に残っているのは最初の話です。

治安警察官の番匠と反政府組織の松浦が出会い、お互いを倒すべき相手として認識します。

松浦が反政府組織のリーダーを助けるために様々な策を打ち出す一方、
番匠は反政府組織がどういう行動を取るのかを先読みして対処していきます。

あっと驚くような策の数々と鮮やかなまでの対処法にすっかりとのめりこんでしまいました。

番匠というキャラのかっこよさが際立つ話であり、
二人の天才の初めての戦いということもあって、特に思い入れが強いエピソードです。

「この国。」は頭脳戦の傑作

「この国。」はミステリーあり、シリアスあり、アクションありの作品です。

主人公の番匠ともう一人の主人公と言うべき松浦、
お互い立場は違えど国のためを思って行動している点は共通しています。

架空の国だからこそ起こりうる動機や葛藤、事件の数々。

どれも不自然でなく、「この国」だったらそうなるだろうと納得できるものでした。

どうすれば国は良くなるのか、国のために信念を掲げぶつかり合う二人はどちらも魅力的です。

自分の中でこの作品は頭脳戦の最高傑作です。

3、6ステイン

それぞれ特殊部隊や工作員としての過去や顔をを持つ6人の主人公達の物語。

過去を切り離し、
今は違う生活をしているのに自分の信念を曲げることができない登場人物たち。

本書のみならず、福井晴敏先生の小説の登場人物は、皆戦っています。

人生の信念を曲げない泥臭い美学。


4、だれかさんの悪夢

SF短編小説で有名な星新一さんの作品の一つです。

星新一さんならではの独特な世界観、発想に引き込まれること間違いなしです。

こんなことあるはずない、いやあるのかもしれない、
と非日常的なストーリーには小説ならではの面白さがぎゅっとつまった作品だと感じます。

5、55歳からのハローライフ

タイトルにもあるように中年の女性、男性たちを主人公にした短編小説です。

中年という人生の折り返し地点にたってどう生きていこうかと
主人公たちが悩む姿に自分自身の今後の生き方を考えさせられます。

6、新釈 走れメロス 他四編

独特な世界観をもつことで有名な森見富美彦先生が、
走れメロス」や「山月記」といった近代文学の傑作5編をモチーフに書いた作品です。

読んでいてくすりと笑える、元のモチーフとなる作品を知らなくても面白くて、
元となる作品を読み終えた後に読むとまた一段とおもしろさが光ります。

7、ヒナギクのお茶の場合

私たちが認識しているいわゆる「お話」とはどれもどこかピントというか次元がずれている。この作者の全作品に共通する魅力ではあるnndakedo
、何が面白いのと聞かれると答えられない。魅力を知るには読まないと絶対わからない作品。。


8、せどり男爵数奇譚

古書売買をテーマとした珍談奇談の短編連作小説集です。

おそるべき古書マニアたちが謀略を巡らし駆け引きする姿は
、本が好きな人間ならば誰しも共感できると思います。

読んでいるうちに古書へのウンチクも身につきます。

9、ボッコちゃん

星新一のボッコちゃん。

ショートショートという短編小説よりも短い小説で大変読みやすく短時間で読めます。

40年以上前に書かれたとは思えないような内容でとてもユーモアにあふれており、ユニークな短編が多いです。


10、優しくって少しばか

6つの短編が収められています。私にとって珍しかったのが、ただ男女が会話するだけの話が収められている点です。状況描写は少なく、ただ長く付き合ってきた男女の会話だけで話が流れていきます。しかしそれが、「男女あるある」といえるくらい、微妙な心理描写を絡めて的確なものになっています。株玉の短編集です。

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