漫画の地球儀

【海外ミステリー】英語で改めて読みたいアガサ・クリスティーの名作小説20【ABC殺人事件 】

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4、春にして君を離れ

優しい夫、よき子供に恵まれ、女は理想の家庭を築き上げたことに満ち足りていた。が、娘の病気見舞いを終えてバクダードからイギリスへ帰る途中で出会った友人との会話から、それまでの親子関係、夫婦の愛情に疑問を抱きはじめる……女の愛の迷いを冷たく見すえ、繊細かつ流麗に描いたロマンチック・サスペンス。(アマゾンより引用)

5、ABC殺人事件

アガサ・クリスティ作「ABC殺人事件」を読んで

「エルキュール・ポワロ」シリーズ

イギリスの推理小説アガサ・クリスティは、発表した小説のほとんどが世界的なベストセラーとなる「ミステリーの女王」です。彼女の小説には、シリーズ化したものも多く、ミス・マープルやエルキュール・ポワロなどはその代表です。そのポワロシリーズの長編第11作にあたるのが、今回紹介する「ABC殺人事件」です。
 エルキュール・ポワロはクリスティ小説でも人気のある登場人物です。架空のベルギー人の探偵(元ベルギーの警察署長)で、小男でピンと跳ね上がった口ひげをたくわえています。どんな難事件も彼の灰色の脳細胞にかかれば、必ず解決するという名探偵でもあります。

ABCの殺人予告

この作品の面白いところは、殺人事件の起こり方にあるような気がします。ネタバレにならない程度にご紹介すると、まずはABCと名乗る人物から挑戦状が届きます。ABCの殺人予告通り、Aのつく町で、名前にAのつく人物が殺されます。同じように、B、Cと殺人事件が続きますが、ポワロたちはなかなか犯人の正体とその動機がわからず、捜査は難航します。同時進行で、後に自首してくるてんかんもちの人物が登場したり、人物や状況が複雑にからみあい、緊迫した展開が続くのです。
 最終的には、ポワロの灰色の脳細胞がフル回転し、見事に事件は解決するのですが、それまでの点と点が最終的には見事につながり、膝を打つエンディングとなります。

ポワロの雑学

エルキュール・ポワロはアガサ・クリスティの小説中でも人気のある登場人物のうちの一人ですが、
その人気にもかかわらず、彼女はポワロシリーズの最初の3-4編以降については、
もっと若くて魅力的な主人公にかえるべきだった、とポワロシリーズを執筆することにうんざりしていたという後日談があります。
でも、人気者の彼のシリーズは出せば売れるため、出版社側からの要請を断り切れず、ポワロシリーズが続いたそうです。

6、終りなき夜に生れつく

誰が言い出したのか、その土地は呪われた〈ジプシーが丘〉と呼ばれていた。
だが、僕は魅了された。なんとしてでもここに住みたい。
そしてその場所で、僕はひとりの女性と出会った。
彼女と僕は恋に落ち、やがて……クリスティーが自らのベストにも選出した自信作。サスペンスとロマンスに満ちた傑作。
(アマゾンより引用)

10、エッジウェア卿の死

晩餐会の13人

原題は「Lord Edgware Dies」で、邦題「エッジウェア卿の死」はその原題に忠実な訳ですが、創元推理文庫から出版された時は「晩餐会の13人」という邦題になっていました。
大富豪のエッジウェア卿が、ある夜、何者かに刺殺されるという事件が起こります。エッジウェア卿は2度目の妻である女優のジェーン・ウィルキンスンと離婚問題で揉めていました。当然ジェーンが疑われるわけですが、ジェーンはその夜、晩餐会に出席していたという完璧なアリバイがあった。離婚問題でジェーンの代理人を務めていたエルキュール・ポワロは真犯人を探し始めるが、やがて第二の殺人が起こる…

推理物に慣れていなかったので、妙にドキドキ

実は初めて読んだクリスティー作品が、この「エッジウェア卿の死」です。「晩餐会の13人」というタイトルがお洒落だったから。、推理物にしてはオドロオドロしくはなく、全体的にもお洒落な雰囲気なのですが、妙にドキドキしながら読み、最後まで読まないと眠れそうにない、と深夜までかけて読みきった思い出があります。

犯人のアリバイは、意外な理由で崩れる

推理通が読むと、すぐに犯人がわかる、という不満があるけど、この作品は犯人捜しより、アリバイ工作のトリックの妙と、そのトリックが崩れる理由が知的というか、ヨーロッパ的というか(日本人に解説が必要かも)、文化の土台の違いを知る上でも面白く読めると思います。殺人事件自体も地味だし、その後の展開も地味なので、ミステリー・ファンの間では人気はいま一つのようですが、実はこの作品のトリック、O.ヘンリーの某短編と通ずるところがあると思うのです。英米の小説好きの人におススメしたい本です。

15、葬儀を終えて

死んだ大富豪が書いた遺言状

物語の始まりは、大富豪の死です。大富豪が死ねば、当然、遺産の話になるのですが、その遺産はリチャードの看病をした弟の嫁とその息子に全て贈られるものと思われていました。しかし、遺言状はジョージ以外の親族に等分することとなっていました。遺言状を管理していた弁護士は驚きます。なぜなら、彼は、死んだ大富豪が書いた遺言状の内容を知っており、その内容が弟の嫁の息子に全て贈るであったはずだからです。とはいえ、大富豪の親族はそれぞれ事情を抱えており、この結果に大喜びです。そんな中、大富豪のちょっと変わった妹が、兄は殺されたのに、よく隠し通せたものだなどと言い出します。その翌日、妹は顔をつぶされるという何ともひどい殺され方をしてしまいます。犯人は誰なのか、大富豪は本当に殺されたのか、大富豪の弁護士の友人のポアロがなぞ解きをしていきます。

大富豪の妹のコンパニオン

大富豪の妹宅にはコンパニオンが住んでいます。このコンパニオンが出てくるところ、当時のイギリスの現状がよく分かる描写が多く、そうだよねと思ったり、そうだったんだと思ったりします。コンパニオンであるが故に、彼女は自分が人格がある人と見られていないことを知っていたのです。でも、ポアロは違います。彼女をきちんとひとりの人格のある人として、レディとして接します。彼女自身は悲しすぎるのですが、この作品を知ってから、もともと好きだったポアロが、もっと好きになりました。

数あるポアロ作品の中でも、秀逸な作品だと思っています。

『葬儀で終えて』に散りばめられている出来事、例えば、コンパニオンが毒薬入りのケーキを食べるも助かるというのも、実は大富豪と弟の嫁は親しい関係だったというのも、鏡で左右逆になるという話も、よくある話だと言えばよくある話です。でも、決して古ぼけておらず、飽きさせません。私はイギリス文学の専門家でも、アガサの山門家でもありませんが、個人的にはポアロが登場するアガサの作品群の中でも、この作品は秀逸な作品の部類に入るのではないかと思っています。ポアロが嫌いでない方で、まだこの作品を読んでいないという方がいるのなら、ぜひ読んでもらいたいです。

17、終りなき夜に生れつく

20、そして誰もいなくなった

孤島の殺戮劇「そして誰もいなくなった

物語のあらすじ

アガサ・クリスティーが1939年に書いた傑作です。物語は兵隊島という海のなかの孤島で進行します。異なる理由で兵隊島に集められた、年齢も職業もさまざまな10人の男女。彼らは最初は単なるバカンスに招待されたものとして、それぞれが意気揚々と島へ足を運ぶのでした。ところが島へ集まってみれば自らの黒歴史を暴かれたかと思えば、それぞれが異なる方法によって次々に惨殺されていき、「そして誰もいなくなった」のタイトルがラストシーンを物語ります。果たして犯人は一体誰なのか最後の最後まで謎をひきずります。

物語が破綻しそうでしないすごさ

最初のポイントは夕食の席上で、謎の声によって兵隊島に集まった10人の犯罪歴が暴かれていくという場面と気味の悪い童謡の歌詞の通りに人が死んでいく場面です。警戒している人々全員が、孤島でシナリオ通りに死んでいく。物語ではそれが実現してしまう。しかも島にいる全員が容疑者で、疑心暗鬼は最初から最後まで最高潮です。

まとめ

そして誰もいなくなった」を読み終えると、自分なら密室的な孤島から、どうやって脱出を試みるだろうか、抵抗を試みるだろうかと考えさせられます。時代背景は第二次大戦の前、科学技術は現代ほど発展はしていない時代ですし、できることは限られている。それでも犯人が考え出した殺害方法から生き残る方法はなかったのか?読後にこうした想像を巡らせたくなってしまうという意味でも、この小説の素晴らしさを実感することができます。