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サルトル『エロストラート』を紹介【三島由紀夫の『金閣寺』に影響を与えた作品】

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新潮世界文学 47 サルトル

サルトルが描くアナーキストのハードボイルドストーリー

実存主義で知られるサルトルの短編小説、『エロストラート』
そう聞くとなんとなく重たい、難しいイメージがあるかもしれませんが、この小説は非常にスリリングでエンターテインメント性の高いハードボイルドです。
世間に嫌気がさしたアナーキストが犯行予告をし、
それを実際に行動にうつす物語。

綿密に準備を行い、メディアにも予告をし、
いざ犯行を行うのですがトラブルが発生!

 ピンチを潜り抜け、さぁ自殺してこの計画を終わりにしようとするのですが……。

最後の一行で物語はぐっと違う色に変わり、感動を誘う。
そんなどんでん返しも楽しめる作品です。

アナーキストが犯行に及ぶ心理状態がリアルで楽しい


世の中に嫌気がさした主人公は、その世間への報復する、
というと本当に悪の心理だと思うのですが。

実際のこの主人公は自分を犠牲にして世間にこの世の中の悪さを知らしめ、
よりよい世の中になるように変えていく礎にしてほしいという気持ちがあります。

そこから非情になるためにわざと自分を追い込んだり、
マスコミに予告文を送ることで自分がこれから行うことへの既成事実を築き、
逃げられない状況を作っていきます。

その心理状態を鑑賞しながら読むと、単純な善悪の物語よりも深く楽しめます。

三島由紀夫の『金閣寺』に影響を与えた作品かもしれません

日本文学の傑作のひとつの三島由紀夫の『金閣寺』があります。

この作品はどもりにコンプレックスのある、
世間から距離をおいた主人公が、世界遺産(当時は違うと思います)の金閣寺を燃やすお話です。

『エロストラート』というタイトルは、昔の寺院の名で、
それを燃やし逮捕された若者がいたという。その行動に感化された主人公が犯行を冒そうと決意するのです。

また最後の一行が、感動的な物語を一変させる一行が、『エロストラート』も『金閣寺』も同じなのです。

是非『エロストラート』をスリリングで面白いハードボイルド小説として楽しみ、
その後は『金閣寺』を読んでその相似性を楽しんでいただきたいと思います。

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