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アンチミステリーとして名高い小説『虚無への供物』を紹介してみる【推理】

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新装版 虚無への供物(上) (講談社文庫)

三大奇書」の中では読みやすい?

好きな小説の一つに、中井英夫の『虚無への供物』がある。

いわゆる「三大奇書」と称される作品。

三大奇書」には、他に夢野久作の『ドグラ・マグラ』、小栗虫太郎の『黒死館殺人事件』がある。

どれもそれぞれクセのある作品です。

これらの作品は正直言って「読みにくい」。

『ドクラ・マグラ』の「阿呆陀羅経」や論文がさっぱり読み進まない、
というのは聞く話だし、『黒死館殺人事件』の難解な推理を理解するのは難しい。


これら二作品に比べると、『虚無への供物』は比較的読みやすい作品だと思う。

もちろん、それぞれの作品にはそれぞれ大きな魅力がある。

しかし、ともかくも読み進めることができなければ、
それを味わうことはできない。

三大奇書って何だか気になるなぁ。何か読んでみたいな」と興味がある人は、まず本書をおすすめします。

やはりクセのある作品ということもあってか、
「全然面白くなかった」という人もいるかもしれないけれど。

独特の雰囲気が魅力的

『虚無への供物』の魅力は、
「あっと驚くトリックがすごい!」とか「よく練られたプロットがすごい!」といった、
いわゆる「ミステリー小説らしい」点ではないと思う。

登場する舞台やキャラクター、モチーフなどの「雰囲気がいい」ところが、
この小説の大きなチャームポイントだと思います。

冒頭の豪華な雰囲気漂うゲイバー、
ポーの『赤き死の仮面』やルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』をたとえに引っ張ってくるところとか、
とにかく個人的にワクワクするツボが非常に多い。

主な殺人の舞台となる屋敷も、部屋ごとに異なる色彩で統一されているなど、
凝った造りとなっています。

登場人物たちがオシャレなので、
その格好を想像しながら読むのも面白い。

作中に何曲かシャンソンが登場するので、
好きな人はCDを流しながら読む、というのもいいかもしれない。

作品の雰囲気によりどっぷり浸かることができる。

登場人物もそれぞれキャラが立っていて魅力的です。

時にユーモラスでもある彼らのやりとりもまた、
本作の魅力的な空気を増していると思う。


著名な「アンチミステリー」

本書は「アンチミステリー」としても名高い。

推理小説でありながら、推理小説のあり方を否定するといったような、
なんとも説明の難しいジャンルです。

重大なネタバレをしてしまうと、本書を最後まで読んだ読者は
「読者自身がこの事件の犯人だったのだ」と指をさされることになります。

それだけ言われると「えっ?」という感じだが、とにかく実際に読んでほしい。

この作品を読む際には、作中の人物がやっているように、
犯人を推理しながら読むのをおすすめします。

この事件はいったいどういう事件なのか、
誰がどんな目的で行っているのか…ということを、
キャラクターと共に考えながら読み進めてほしい。

そうやってこそ、「読者のあなたが犯人だったのだ」と言われた時の、
何とも言えない気分を満喫できると思う。

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